日本赤十字放射線技師会

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【核医学分科会】分科会代表挨拶

『核医学代表世話人 挨拶文』

                                    大津赤十字病院 放射線科部 課長 門前 一

この度、日本赤十字技師会 核医学代表世話人させていただきます、大津赤十字病院 門前です。私たちを取り巻く環境は多くの面で迷走という言葉が相応しいのではないでしょうか。社会情勢を見てみますと、サブプライムローンの破綻に始まり、世界金融恐慌の序章の音色を私たちですら肌で感じるようになってきました。また、日本も米国同様に、出口の見えないトンネルに潜り込んだような経済状況だと言っても過言では無いと思います。
国が打ち出した医療費削減目標、その政策によって日本の医療は大きな変革が望まれています。痛み分けとして、患者さんは後期高齢者医療制度や老人医療費の増加、医療側はDPCを皮切りに、診療体系の大変化を余儀なくされています。核医学もその煽りを受けて、検査件数が右肩上がりだった時代は終わり、右肩下がりの時代を迎えています。その一因としてDPC導入を誤解釈し、不採算部門としてのレッテルをはられたことが考えられます。  
核医学は廃っていく検査なのでしょうか?私は、高齢化社会を迎えた日本において、核医学検査は非常に重要な役割を担っていくと考えています。例えば、高齢者に多い痴呆においても器質変化の前段の血流変化を捉えられる核医学検査は非常に有用です。また、高齢者の心臓の検査では他のモダリティーに比べ、多くのアドバンテージを有しています。その上、経済効果の面でもThe COURAGE trialでも示されたように、循環器領域の核医学検査は医療費の削減にも寄与することが明らかになっています。豊富なエビデンスは核医学の大きなメリットですが、検査画像は非常に特殊であり、取っつきにくい検査である上、検査遂行に必要なmethodologyも非常に難解です。核医学でのmethodology、私たち技師の果たすべき役割は多いのですが、残念ながらmethodologyの標準化、規格化が立ち後れてきたことが、核医学を衰退させつつある要因なのかも知れないと感じています。
日本赤十字放射線技師会 核医学分科会活動としては、フランクに語り合える、温かい情報の共有、交換の場を提供していきたいと考えております。そしてmethodology確立の一助となれば幸甚です。皆さんご協力宜しくお願いいたします。

投稿者 【浅妻 】

【2008年10月01日(水)】

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