日本赤十字放射線技師会

会長挨拶
Chairman greeting

会長 安彦 茂

日本赤十字社診療放射線技師会
会長 清水 文孝

=備える=

「備える」という言葉から思いつくのは、災害です。
2018年2月、日本政府の地震調査委員会は南海トラフの巨大地震が今後30年以内に起きる確率について、これまでより高い「70%から80%」に見直し新たに公表されました。あくまでも過去の発生周期や観測データを基にした予測にすぎませんが、その影響が甚大であるため、被害軽減のために最大限の努力を常にすべきだとの考えが非常に大切になります。また南海トラフに限らず、日本は地震などの災害が多く発生しており、どこでも災害が起こりうることを認識する必要があります。日赤技師会としても、大きな災害が発生した際に日赤グループのスケールメリットを生かした万が一に備えた対応を構築していきたいと考えています。それには、会員の皆様のご協がなくてはなりません。
本社との協議は必要ですが、我々会員が一丸となって協力体制を構築することが最も重要なことです。皆様のご協力を賜りますよう重ねてお願いする次第です。また「備える」ということは医療においても大切なことで、いつも予期せぬ事象が起きることが常であり、その対応をあらかじめ考えておくことで適切な対処が可能になります。患者確認を例にしてみると、取り違え・患者属性の入力間違えなどが病院の診療受付の段階で起きる可能性があることを考えると、生年月日と氏名での確認は必然であることが理解できると思います(完全ではありませんが)。
さて、2018年は、春に診療報酬と介護の同時改定がある年ですが、第7次の医療計画がスタートする大事な節目でもあります。
2025年に団塊の世代が後期高齢者になり超高齢化社会がやってくることになりますが、医療と介護をどう体制構築して医療・介護難民を作らないようにするかが大きな課題となります。また、そのあとにやってくる超少子高齢化社会を見据えて医療と介護の制度をどうやって維持していくかが実は大きな問題であることを皆様も認識していただき、「備える」意識を持っていただければ幸いです。護送船団のように、病院がつぶれることは過去あまりありませんでしたが、今後は体制維持のため病院の機能に応じた統廃合が多く行われるようになると考えています。その際生き残るためには地域に必要な医療、地域に根差した医療、地域に愛される病院、この3つが最低限必要になります。診療放射線技師としてだけでなく、日本赤十字社の一職員として考え行動することが求められます。
今後、診療放射線技師にはどんなことが求められるでしょうか。診療報酬に関わる事項については、厚生労働省で開催されている委員会の議事録等を見るとある程度予測がつきます。世界的に見て医療被曝の多い日本は、放射線検査の正当化、検査方法の最適化、一定の診断基準レベルの構築が求められるでしょう。我々は、それに対して「備える」必要があります。特に被ばくの多いCT検査や小児の撮影については、早急に対策を考えなければなりません。今回の会誌では、小児の撮影の特集が組まれていますので、参考になれば幸いです。
「備える」という言葉を辞書で調べると、「将来おこると予想されることにうまく対処できるよう、前もって準備する」と書かれています。
生き残るために、備えましょう。



平成30年7月吉日
日本赤十字社診療放射線技師会
会  長   安 彦  茂 

 

日本赤十字放射線技師会役員